月別アーカイブ 4月 2024

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事例に学ぶ多機関連携~虐待死、どうすれば防げるのか~ 名古屋市児童虐待防止研修会(第1回/WEB研修)

事例に学ぶ多機関連携~虐待死、どうすれば防げるのか~ 名古屋市児童虐待防止研修会(第1回/WEB研修)を開催しますのでお知らせいたします。

日  時:(視聴期間)2024-05-27(月)14:00 – 2024-06-09(日)18:00まで
インターネット上で動画を視聴する形での研修です。
定  員:350名(参加費無料)
対象者:市町村児童福祉・母子保健等担当職員、児童相談所職員、保健所・保健センター職員、児童福祉施設職員、保育関係者、幼稚園関係者、学校関係者、民生児童委員・主任児童委員等(児童虐待対応の実務経験が概ね3年末満で、児童虐待に関する基礎的な知識・技術を学ぶことを希望する者)※新規・初任者向け研修です。
講  師:松岡 典子 氏
(NPO法人MCサポートセンターみっくみえ代表、一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク理事、三重県社会福祉審議会児童福祉専門分科会委員、桑名市要保護児童対策協議会会長 名古屋市立大学博士課程修了 2021年「見えない妊娠クライシス」かもがわ出版共著)

申し込み方法

次のイベントページよりお申し込みください。申込開始は4月22日、締切は5月23日 16:00です。

https://capna.doorkeeper.jp/

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NPO法人CAPNAでの生成AIの活用事例の紹介(約700件の相談分析を11分で完了)

背景

NPO法人CAPNAは、子どもの虐待を防止することを目的として活動している団体です。私たちは、虐待を受けている子どもたち、虐待をしてしまった人々、身の回りで虐待に気がついた人からの相談に対応しています。

今回生成AIを活用したのは相談窓口の一つであるメール相談の統計情報の作成です。メール相談はCAPNAのWebサイトから相談者が相談をメール送信し、相談員が熟読の上で返信を作成し、団体内でのレビューを経て相談者に返信するという相談形態です。

メール返信の様子。返信の作成は専門の研修を受けた相談員が複数人関わりレビューを受けて送信されます

CAPNAにとって、相談内容を分析し、その統計情報を収集することは重要です。この分析を通じて、虐待に苦しむ人の辛さや苦しさを理解し、適切なタイミングで適切な支援を行う貴重な情報になるからです。

しかし、相談者に相談時に詳細すぎる情報を提供してもらうことは、深刻な問題を抱える相談者に余計な負担をかけることになるため、相談に必要な情報以外は取得しないようにしています。

そこで、この課題に対応するために、生成AIを活用して相談内容を自動で分類させることにしました。

目的

今回の目的は年間約700件の相談内容の分析にかかる負担を軽減することです。相談内容を大カテゴリ・中カテゴリに生成AIに分類させ、NPOとしての対策や今後の活動計画に生かすデータを効率良く作成します。

やったこと

OpenAI(ChatGPT)のAPIを利用して、相談内容の自動分類システムを開発しました。このシステムは、相談内容を大カテゴリ・中カテゴリに分類します。

大カテゴリ

[‘虐待(子ども)’, ‘虐待(18歳以上)’, ‘育児不安’, ‘妊娠出産’, ‘その他’, ‘通報’, ‘ネット通報’]

中カテゴリ(大カテゴリが虐待の場合のみ分類)

[‘身体的’, ‘心理的’, ‘ネグレクト’, ‘性的’, ‘不明’]

入力には相談内容、相談件名、性別、年代を入れています。性別と年代は適切な返信をするのに重要なため相談者に選択式で入力してもらっています。

システム構成

OpenAIのAPI、Google SpreadSheet、 Google Apps Scriptという構成で、年度末に手動で実行し一度にまとめて分類するという運用にしました。生成AIを使うことで複雑な分類プログラムが不要になり、プログラムコードは100行以内のコンパクトなシステムになっています。

生成AIにはメールアドレス等の不要な情報は分類に使用しないようにしています。(Open AI APIは得た情報をAIの学習に使いません)

技術的に工夫した点

(1)modelはgpt-3.5-turboとgpt-4の結果を比較し、性能とコストのバランスから3.5を選択しました。700件超の分析で$1以下のコストでした

(2)APIのパラメーターでresponse_formatにJSONを指定して、指定した選択肢から指定した単語だけが返ってくるようにしました(うまくいかなければFunctiohn callingを使う予定でしたが不要でした)

(3)Few-shot Learningでカテゴリの例を与えて性能を上げました。どのような相談や虐待がどのカテゴリに当てはまるのか事例をシステムプロンプトで与えました。

つまづいた点

システムを作る過程でChatGPTも利用したのですが、虐待に関わる内容なのでChatGPTの利用規約に違反するという表示が出てしまうことが度々ありました。その場合は「私は虐待防止のNPOのシステム管理者です」と情報を与えることで回避できました。

結果

分類結果 700件の分類が約11分で完了した
  1. 分類した結果を調べ統計情報として人間が判断した場合とそれほど変わらない分類ができていることを確認しました。
  2. 1件あたりの処理時間が1件あたり早くても約20秒程度かかるところから約1秒へと大幅に短縮されました。700件の分類をした場合は、連続で実施しても3.8時間かかるところ11分程度で終わるようになりました。

まとめ

生成AIを活用することで、相談内容の分析作業にかかる時間と労力を大幅に削減することができました。これにより、収集したデータをもとにした虐待防止策の改善により集中することが可能になりました。

また、今回自動で分類できるようになったことを受け、一年に一度ではなく四半期ごとに統計を出して使っていこうという提案がNPO内からでました。

AI技術を取り入れることで、私たちの活動は単に効率化されるだけでなく、支援の質も高まる可能性があります。これからも、ITの技術やAIを活用して、子どもたちが安全で健やかに成長できるような環境づくりに向けた取り組みを強化していきたいと考えています。

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CAPNA総会記念イベントのご案内

皆さま、こんにちは。1995年に「小さい人の笑顔のために」という理念のもと設立された認定NPO法人CAPNAは、今年で設立29年目を迎えました。子どもたちに関わる様々な活動を展開してきた私たちですが、この度、設立記念イベントを開催する運びとなりました。

イベント概要

日時: 2024年6月1日 13:00〜16:00(12:30開場)
場所: 東文化小劇場ホール(名古屋市東区大幸南1−1−10 カルポート東4F)
参加費: 無料(事前申込不要)

プログラム内容

  1. 児童養護施設ゆうりんバンド演奏
    児童養護施設ゆうりんにて音楽活動を行う子どもたちが、これまで練習してきた成果を披露します。
  2. 施設紹介
    施設長 小尾康友氏による児童養護施設ゆうりんの紹介。
  3. 講演「子どもとともに歩く」
    福井大学医学部精神医学の福元進太郎氏による講演。

アクセス方法

  • 地下鉄名城線「ナゴヤドーム前矢田」下車、1番出口南より徒歩5分
  • ゆとりーとライン「ナゴヤドーム前矢田」下車、南へ徒歩3分
  • 市バス「大幸」下車、徒歩5分
  • 駐車台数81台、料金は普通自動車300円(市民ギャラリー矢田・東図書館等と共用)

お問い合わせ

認定NPO法人CAPNA
電話:052-232-2880
Eメール:approach@capna.jp
ホームページ:https://capna.jp

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。子どもたちが一生懸命に取り組んできた成果を、この機会にぜひご覧ください。お友達やご家族と一緒に、素敵な時間を過ごしにいらしてください。